2017年度

課題1 交差検証法

全変動正則化を付加した線形回帰問題対して、交差検証を実際におこなうことなく、半解析的に1つ抜き交差検証誤差を求める公式を導いた。また、その有効性を画像の超解像復元によって確かめた。これらの成果はPLoS ONE 12(12):e0188012にて発表された。加えて、L1正則化を付加した一般化線形モデルのパラメータ推定に対して、交差検証を実際に行うことなく、半解析的に1つ抜き検証誤差を求める方法を検討し、公式化の目処を立てた。

課題2 ブートストラップ法

線形回帰モデルを具体例として、入出力対に関するリサンプリングを行うpair bootstrappingの半解析的評価法を検討した。評価法はリサンプリングを統計力学における配位平均に対応させ、リサンプリングによる平均をレプリカ法により評価する、というアイデアにもとづいている。ただし、厳密な評価は計算量的困難を伴う。この困難を回避するために、今回は確率伝搬法をもちいた。公式の骨格は得られており、現在、論文化に向けて準備中である。加えて、ボルツマンマシンをもちいた逆問題解析に関して、1次統計量を保存したサロゲートデータにもとづき統計的に有意な結合の強さを評価する方法を開発した。さらに、同様の手法を一般化線形モデルに拡張し、データ数が十分大きな状況でリサンプリングを実際に行うことなく、解析的に有意な結合を判定する方法を開発した。

課題3 stability selection法

stability selectionを半解析的に実施するための課題の洗い出しを行った。