2019年度

課題1 交差検証法

一般化線形モデルに対して、説明変数の集合を表す行列(計画行列)の各要素が必ずしも独立に同一の分布に従わない場合に交差検証誤差を近似的に評価する際の問題点とそれを解決するために必要な数理の調査を行なった。その結果、推定に用いるモデルを推定すべき変数に関する(因数分解された)事前分布と(因数分解された)尤度関数の積に分解し、確率伝搬法とガウス近似を組み合わせることで計算困難を回避する期待値伝搬法を用いることが有効であることがわかった。特に、期待値伝搬法を用いると、その中にあらわれる補助変数を用いて1つ抜きの交差検証誤差を評価することができることがわかった。

課題2 ブートストラップ法

一般化線形モデルに対して、説明変数の集合をを表す行列(計画行列)の各要素が必ずしも独立に同一の分布に従わない場合にpair bootstrapを近似的に実施するための半解析的評価法を統計力学のレプリカ法と期待値伝搬法にもとづいて開発した。

課題3 stability selection

昨年度までの研究でL1正則化項付き線形回帰に対して説明変数の集合を表す行列(計画行列)の各要素が独立・同分布にしたがう場合にstability selectionを半解析的に実施する方法が得られている。これをL1正則化項付きの一般化線形モデルに対する独立・同分布仮定が必ずしも成り立たない場合の近似法に一般化する際の問題点とそれを解決するために必要な数理の洗い出しを行った。